最近、宇都宮ピークスが完成し中心市街の活性化が期待されています。
しかし、その一方で空き家が徐々に増えてきており、その対策が急がれています。このコラムではタワーマンション建設を近くで見ていて思うことを投稿します。
もくじ
タワーマンション建設に補助金、空き家対策に補助金
私自身が疑問に思っているのはマンション建設を許可するということは、『マンションの譲数分だけ空き家が増えるということを理解しているのか?』ということ。
1戸6400万円台(4LDK90平方メートル超)も扱うピークスの売り主、フージャースコーポレーション(東京都)の担当者は「反響が非常に大きい。宇都宮市内の富裕層がどっと押し寄せた印象」と明かす。
中心部の高層マンション、売れ行き好調 竣工前に完売も 宇都宮|県内主要,経済|下野新聞「SOON」ニュース|下野新聞 SOON(スーン)
宇都宮市は空き家・空き地対策として以下の補助金を出しています。
- 老朽危険空き家除却費補助金
- 空き家再生支援事業補助金
- 空き家等対策地域活動費補助金
また、宇都宮ピークスに対しても「大手地区市街地再開発事業補助金」として毎年補助金を計上していました。
マンションの建設に補助金を投入し、建設後にできた空き家に対策として補助金を投入する……ちょっとおかしいような気がします。ちなみに上記平成29年度の資料では14億円以上もの補助金(1,461,244千円)が計上されていました。
宇都宮大手地区は、古くから宇都宮市の中心商業地として発展してきましたが、老朽化建築物の建て替えや防災機能を備えたまちづくりの気運が高まったことを受け、平成19年に市街地再開発準備組合を設立しました。その後、同市都心部地区市街地総合再生計画に基づき、平成25年3月の都市計画決定を経て都心居住の促進や中心市街地の賑わいの創出に寄与することを目的として平成26年3月に宇都宮大手地区市街地再開発組合の設立が認可されました。
参加組合員として事業参画する「宇都宮大手地区第一種市街地再開発事業」にて県内最高層免震タワーマンション販売開始のお知らせ(220kb)(PDFファイル)
老朽化した建築物の建て替えは必要だと思いますが、果たしてそこまで補助金を投入してまでタワーマンションを建設する意味があるのか……と思ってしまいます。
さらに今後、宇都宮駅東口の再開発として分譲マンション(野村不動産・プラウド)の建設も予定されています。
第二の東京を目指しているのでしょうか。
参考:宇都宮ピークス以外の主な大規模マンション
テナント募集の街、宇都宮
宇都宮ピークスは「中心市街の賑わいの創出」を寄与することを、個人的には宇都宮ピークス1階のテナントが一向に埋まらないということで逆に今後街は衰退していくということを決定付けてしまったという印象があります。
一向に埋まらないテナント
さらに、今月末に閉店する「宇都宮パルコ」。撤退後については宇都宮市と協議とのことですが、次の活用が見つかるまで言い換えればすべて全フロアでテナント募集となるわけです。
次の活用が再び商業施設になるのか、またタワーマンションができるのかは分かりませんが有効な土地活用をしていただきたいですね。ちなみに私自身の個人的な意見を言うと、市外から車移動で宇都宮市に来る人間としては駐車利用料金無料のタワーパーキングが出来ると嬉しいです。
宇都宮パルコの撤退理由に挙げられている「郊外のショッピングセンターやアウトレットモールにユーザーが流れる」という要因は、栃木県は車社会であることと、郊外のショッピングセンターは駐車場が無料となっていることです。中心市街地でも営業努力としてコインパーキングとの提携や買い物したお客さんに対して駐車料金を数時間分無料ということをしていますが、1つの商業施設(または店舗)で数千円の買い物をしない人にとってはまったくの無意味なんですよね。
オリオン通りはテナント募集のチラシがいっぱい
LRTの西側延伸で中心市街は本当に発展するのか
前回選挙の争点となった次世代型路面電車(LRT)事業はJR宇都宮駅東側の整備が進み、本年度は駅西側の終点も本格的な検討が始まる。大型商業施設の撤退もあり、中心市街地方面への早期導入を待望する声がある一方、新人を中心に事業への反対・慎重意見を主張する候補もいる。
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『LRTが出来たから』で、宇都宮市の中心市街地に行く人はどれだけ多くいるのか。もともとLRTを利用するような人は今でもお金を払ってバスを利用している人が多いのではないでしょうか。そして、是非理解してほしいのは「LRTの利用料金はお客さんが負担する」ということ。
西側の中心は馬場町・県庁前・東武駅前だと思うので、バスの場合は170円かかります。往復だと340円ですね。それがバスではなくLRTになった場合、3km以内であれば150円均一(3km以降は+50円/2km)になるとLRT公式サイトには記載されています。
また、LRTが出来ることにより自動車を持たない層はアクセスが格段に良くなる郊外(ベルモール)に行ってしまう可能性も考えなければなりません。
駅前でもテナント募集。うつのみやシンフォニーはどうなるのか
JR宇都宮駅前という栃木県内では最高レベルの立地であるララスクエア宇都宮ですが、そのララスクエア宇都宮でも徐々に店舗が撤退しています。
現在の状況に加えてさらに「うつのみやシンフォニー」には商業施設が2つ出来る予定になっています。
2つの商業施設はいずれも5階建て。
うつのみやシンフォニー開業当初はテナントが埋まっていないということもあり得るかもしれませんね。
LRTが人口減少を想定しているのであれば、街づくりにも人口減少の想定を
LRT特設ページにも掲載されているとおり、宇都宮市の今後人口は減少を続けていきます。老年人口が増えていく中、周辺住民との交流が希薄になったり、そもそもの外出が億劫になるマンション。そして人口が減少していく中、これ以上の商業施設が本当に必要なのか、しっかりと見極める必要がありそうです。
あなたなら宇都宮をどんな街にしますか?
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